交通事故 人損
【解決事例】前任弁護士で「後遺障害非該当」となった膝靭帯損傷、 異議申立てで後遺障害12級13号を獲得し、示談金が約600万円増額したケース
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1 はじめに 後遺障害等級認定の仕組みと「異議申立て」の位置づけ
交通事故でケガを負い、治療を続けても完全には治りきらない症状が残ってしまった場合、その症状の重さに応じて「後遺障害等級」という等級が認定されます。 後遺障害等級が認定されるかどうか、また何級に認定されるかによって、加害者側から支払われる賠償金の金額は大きく変わります。
後遺障害等級の認定は、次のような流れで進みます。
① 治療・症状固定
治療を継続し、これ以上治療を続けても症状の改善が見込めない状態(症状固定)になったら、主治医に後遺障害診断書を作成してもらいます。
② 等級認定の申請
後遺障害診断書などの資料を、自賠責損害調査事務所に提出し、審査を受けます。相手方保険会社に手続を任せる「事前認定」と、被害者側で資料をそろえて直接請求する「被害者請求」の2種類があります。
③ 認定結果の通知
審査の結果、該当する等級が認定されるか、「非該当」(後遺障害には当たらないという判断)となるかが通知されます。
④ 異議申立て
認定結果に納得できない場合、被害者側から「異議申立て」という不服申立ての手続を行うことができます。単なる不満の申し立てではなく、最初の審査で不足していた医学的な根拠や主張を補い、資料を追加して再度審査を求める手続きです。
⇨つまり、異議申立ては、「もう一度チャンスをもらう」ための制度ではなく、最初の審査で認定機関に伝わりきらなかった医学的な事実を、正しく・十分に伝え直すための手続きです。そのため、なぜ非該当(または低い等級)になったのかを正確に分析し、不足していた点を補う資料をそろえられるかどうかが、結果を大きく左右します。 -
2 事案の概要、解決結果
事案の概要と解決結果については、以下の表にまとめました。
解決までの道のりや具体的なポイントについて、本コラムで順を追ってご紹介します。
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3 ご相談のきっかけ・依頼内容
ご依頼者は、事故当初、保険会社が紹介する弁護士に依頼して手続きを進めていました。ところが、後遺障害等級の審査結果が「非該当」となった際、その弁護士から「異議申立ての手続きはご自身で行ってほしい」と言われ、対応を断られてしまいました。
後遺障害の異議申立ては、医学的な知識と交通事故の損害賠償実務の両方を踏まえた専門的な手続きです。それを法律の専門家ではないご本人が行うのは、極めて困難なことです。
困り果てたご依頼者が弊所にご相談にいらっしゃったのが、今回の事件のはじまりです。
参考:弁護士費用特約は保険会社指定弁護士以外に相談する場合でも使える?実際にあった3つの事例も紹介 -
4 争点・問題点
今回の最大の争点は、ご依頼者の膝靭帯損傷が、後遺障害として認定されるべき症状といえるかどうか(後遺障害該当性)という点でした。
すでに一度「非該当」の判断が出ていたため、その非該当の判断を覆すだけの医学的な根拠を、いかに示せるかが問われる事案でした。 -
5 弁護士の対応(解決へのアプローチ)
弊所では、まず事故の状況や、事故直後からどのような症状が出ていたか、それが日常生活や仕事にどのような影響を及ぼしているかを、時間をかけて丁寧に聞き取りました。
そのうえで、前任弁護士が行った事前認定の結果を精査し、なぜ非該当という判断になったのか、どの点についての主張や証拠が不足していたのかを具体的に分析しました。
この分析をもとに、後遺障害として認定される可能性がどの程度あるか、見通しを立てました。
分析の結果、症状を裏付ける医学的な所見をより明確にする必要があると判断し、外部の医師に意見照会(症状についての医学的な意見を求めること)を行うことにしました。
ここで工夫したのが、医師への質問の仕方です。
医師は医学の専門家ではありますが、交通事故の損害賠償実務、つまり「後遺障害の審査でどのような点が重視されるか」については専門家ではありません。
そのため、意見照会にあたっては、審査で何が問題とされ、どのような点について医師の意見が必要なのかを、あらかじめ整理してお伝えしました。
こうすることで、医師の説明が審査の争点からずれてしまうことを防ぎ、必要な医学的根拠を的確に引き出すことができました。
こうして集めた資料をもとに、自賠責損害調査事務所に対し、被害者請求の方法により異議申立てを行いました。
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6 解決のポイント・結果
異議申立ての結果、自賠責損害調査事務所から後遺障害12級13号の認定を得ることができました。
これにより、後遺障害が認められたことを前提に賠償額の交渉を進めることができ、最終的な示談額は 当初提示額から約600万円増額 し、約750万円で解決しました。 -
7 弁護士からのまとめ
もちろん事案の内容によるところもありますが、後遺障害等級の認定は、どの弁護士に依頼するかによっ て結果が変わることもある手続きだと、私は考えています。
どのような資料をどう集めるか、医師への意見照会の際にどこを工夫するか、そして「なぜ非該当になったのか」を正しく読み解けるかどうかで、認定の可否は大きく左右されます。
まして、法律や医学の専門家ではないご本人お一人で、こうした手続きを的確に進めることは容易ではありません。
今回のご依頼者も、そうした専門的な手続きを「ご自身で行ってほしい」と言われてしまった事案でした。
弊所が全力で取り組んだ結果、良い結果につなげることができました。
後遺障害の等級認定について悩んでいる方や、他の事務所から異議申立てをご自身で行うよう言われてしまった方は、ぜひ一度、弊所にご相談ください。
すでに弁護士費用特約を利用して他の弁護士に依頼している場合でも、弊所への変更が可能です。引き続き特約をご利用いただけますので、まずはお気軽にご相談ください。
参考:弁護士費用特約は保険会社指定弁護士以外に相談する場合でも使える?実際にあった3つの事例も紹介
※本記事は実際の解決事例をベースに作成しておりますが、ご依頼者のプライバシー保護のため、事案の特定に繋がる情報(具体的な属性、日付、一部の状況や金額など)に変更・修正を加えております。法的論点や解決までのプロセスは事実に基づいており、同様のお悩みを持つ方への参考として掲載するものです。